君は牛乳が好きかな? 僕はですね、まあまあです。大人になって、何とか生乳 (なまちち) を飲めるようにはなったんですが、子供の頃は駄目でした。特に給食の牛乳が駄目でした。無駄に日向に放置されていて生ぬるいところが最悪なんっすよね、あれ。 すぐに臭くなっちゃうところもイメージが悪いです。 どういう時に臭くなるのかというと、こぼした牛乳を拭いた雑巾を3日ほど日向に放置した時とか。ちゃんと陰干しにすればよかった! そう、後悔しちゃうほどの悪臭に苦しめられることになるんですが、あんな始末の悪いものを毎日のように出されて、何とかグレずに小学校を卒業することが出来たのは、ひとえにミルメークのお陰であると言っていいのではなかろうかと。クソまずい牛乳がみるみるうちにコーヒー牛乳に化けるという、その “みるみる感” がミルメークの魅力だったんですが、牛乳を見る目が変わる画期的な粉物であると、高く評価せずにはいられません。僕が子供の頃はコーヒー味しか無かったんですが、最近はココア味とか、いちご味とか、バナナ味とか、メロン味とか、いろいろ出ているんですな。そのうち、ミルミル味のミルメークとか、今井メロ味のミルメーク、通称 “メロメーク” なんてのも出てくるかも知れませんが、とまあそれはそうと、牛乳。 牛の乳を飲むって、そんなの、獣姦フェチ系の変態でもない限り、そうそう思い付かないような気がするんですが、一体、いつ、どこで、誰が、どのようにして飲み始めたものなんでしょうな? …とまあ、ふとそんな疑問が湧いたりしたので、今日はその問題について考えてみたいと思います。題して 『ギュッと詰まった牛乳の話』 。 いや多分、狂牛病の牛の脳みたいな、スカスカのスポンジ状の話で終わっちゃうような気もするんですけど。
とまあそんなことで、まずは 「牛乳の歴史」 。 世界で初めて乳を絞ったのはエジプト人とイラン人ではないかと言われていおります。6000年前に書かれた乳搾りの絵がエジプトとイランで見つかっているので、そのように判断されているんですが、世の中には絵に残さずに、こっそりと乳を絞ったり乳を揉んだりして楽しんでいた民族もいるかも知れないので、はっきりとした事は言えないんですけど。 で、最初は牛ではなくて、山羊の乳を絞っていたようですな。言われてみれば確かに、アルプスの少女ハイジもペーターも山羊の乳を絞ってますよね。アルムおんじは夜中にこっそり愛人の八木薫さん (28歳) あたりを連れ込んで、乳を揉んでいそうな雰囲気があったりするんですが、牛の乳と山羊や羊の乳とでは、同じ乳でも性格に違いがあるんだそうです。牛の乳は哺乳類の乳の中では唯一、脂肪球が簡単に分離するんだそうで、絞った乳を皿に入れて放置しておくと、表面に脂が浮いてくるんだとか。 で、そいつの水分を飛ばしてやれば、あっという間にバターの出来上がり。 おお、そんな簡単に作れるものだったんですな、バター。 ちなみに、バタコさんが飼っている犬はバター犬…ではなくて、チーズという名前だったりするんですが、山羊や羊の乳でチーズを作ることは出来ても、バターは作れないんだそうです。 で、古代のギリシャ人やローマ人はバターを作るために山羊ではなく、牛の乳を絞り始めるようになるんですが、そうして作ったバターはパンに塗ったり、バター飴にしたり、バタークッキーにしたり、じゃがバタにしたりして食べるのではなく、上流階級の人々が化粧品として使っていたんだとか。 ま、確かにカサカサのお肌がツヤツヤ…というか、テカテカになりそうではあるんですが、コイツらが住んでる地域ではオリーブが勝手に生えてきたりするので、わざわざ牛の乳から食用のアブラを作るという必要性を感じてなかったみたいですな。
その一方、オリーブが育たなくて、速水もこみちを嘆かせているエジプトやパレスチナといった地域では、牛の乳から作るバターが重用されることになるんですが、動物性の脂を摂取するのに、牛さんを殺めて牛脂を採取したらそれでおしまいなんですが、バターなら牛さんが乳を出してくれる限りは安泰ですからね。再生可能アブラと言えそうなんですが、何だか話を聞いていると、自分でも簡単に作れそうな気がしますよね。 市販の牛乳でも大丈夫なんでしょうか? 調べてみたらどうやら、牛乳からクリームを分離することが出来たら何とかなりそうなんですが、均質化工程を経ている牛乳だと分離出来ないみたいです。 この均質化工程のことを英語では “Homogenization” と言うんですが、そうです。森永ホモ牛乳のホモ。 あれです。 ちなみに僕は今、この原稿を東洋健康ランドで書いているんですが、最近、すっかりお気に入りになっちゃいました。土曜日の午前中、会社で軽く書類を作って、昼からここに移動したんですが、休憩スペースが広くて、わりといつも空いているので、重宝しております。 先日、書類の作成が深夜1時過ぎまで掛かってしまったので、家に帰るのを断念して、ここの仮眠室で寝ることにしたんですが、夜中に正体不明のヘンな音が聞こえてきた以外は特に問題もなく、無事に朝を迎えることが出来ました。仮眠室の照明がちょっと明るすぎるのが気になったんですが、 このクチコミ のサルサDJさん:男性(2008/08/12) の書き込みを見ると、昔はちゃんといたみたいですな、ホモ。 仮眠室を明るくしてあるのは、ホモ行為禁止の意図があるようなんですが、そういうことなら、ちょっと明るいくらいの事は我慢しなければなりませんな。 あ、よく見たら、ゆうじさん(2005/08/15)の 「仮眠室はホモの方が多く寝ていたら体を触られとても安心して眠れませんでした。」 という書き込みもあるやんっ! 同じ名前の人間として同情を禁じえませんが、最近は不純行為の禁止も徹底されているみたいだし、明るめの照明対策のアイマスクと、夜中の正体不明の異音対策の耳栓、それにホモ牛乳を染みこませて3日ほど日向に放置した雑巾。 それをホモ対策として用意すれば、万全なのではなかろうかと。 ま、異臭を放つ雑巾を持ち込もうとした時点で、入場をお断りされちゃうような気もするんですけどー。
とまあ、それはそうと、ホモ牛乳。 森永乳業では3月19日、パッケージに“ホモちゃん”をデザインしたミニソフトアイス 「森永 牛乳ソフト」 の販売を開始したようなんです。 ここ にそのニュースがあるんですが、僕の誕生日に誕生したんですなー。 安心感をお伝えするため、パッケージには、「森永牛乳プリン」でもおなじみの“ホモちゃん”をデザインしました。 …って、余計な不安を煽るだけのような気もするんですけどね、ホモちゃん。 で、今では当たり前になっている牛乳のホモ化なんですが、ホモ牛乳の発売当時は画期的な製法だったみたいです。 そもそも、どうして牛乳をホモ化しようと思い立ったのかというと、ホモ化しないとすぐにクリームが分離してしまって、始末が悪いから。そんな理由があったりするようです。 つまりまあ、バターが出来ないようにした牛乳がホモ。 そういうことになろうかと思うんですが、つまりまあ、バターを作ろうと思ったらホモでない牛乳、すなわち、ノンホモ牛乳を使わないと駄目ということですな。 もしくは生クリームを使うとか。 生クリームって、甘くて美味しいものなのかと思ったら、実は全然そんなことなかったりするんですが、純粋に生な生クリームというのは、生乳や牛乳から乳脂肪分以外の成分を取り除いたものだったりするんですよね。乳脂肪分が18.0%以上。そういう基準もあるようですが、要するに普通の牛乳をもっと脂っぽくしたのが生クリームということになりますか。 ケーキなどに使う生クリームは、生の生クリームに砂糖とかを混ぜてどうにかしたもの。 そのような物なのではないかと思うんですが、似たようなのにホイップクリームというのもあったりしますよね。 生クリームをホイップしたものがホイップクリーム。 そういう解釈もあるんですが、一般的には牛の乳から作ったクリームが生クリームで、植物油から作ったクリームがホイップクリーム。そのように定義されているようです。バターに対するマーガリンのような位置づけでありますな。 で、バターと言えば僕が子供だった頃、ケーキと言えば、バターケーキが一般的だったような気がします。 生クリームのケーキというのは高級品で、めったに口にすることが出来なかったんですが、いや、ショートケーキとかは普通に生でしたかねー? ただ、バースデーケーキやクリスマスケーキのような大きなケーキとなると、頑ななまでにバタークリームだった記憶があるんですが、今から思えば、何ともバッタもんっぽいクリームという感じがしますよね、バタークリーム。 イメージ的に生よりもクドそうな感じなんですが、生でない分、日持ちの点では優位にあるようで、3日間くらいは大丈夫。 食べきれずに残ったケーキを冷蔵庫に入れておくとクリームが固くなって、それがまたノーマル状態よりも美味しかった気がします。
バタークリームは常温でも生クリームより固いので、凝ったデコレーションを施すにも優位。 薔薇の花びらのような立体的な飾り付けとか、あれはバターケーキならではの物だったんですな。 バタークリームも悪くはないぢゃん。 そんな気がしてきたんですが、どうしてバタークリームのケーキの印象が今ひとつ芳しくないのかというと、昔のケーキのバタークリームって、実は本物のバターで作られたものではなかったりするんですな。 よく考えたらバターというのは生クリームから水分を取り除いて作るワケなので、手間賃の分だけ高価だったりするんですよね。 じゃ、バッタもんのバタークリームは何から作るのかと言うと、マーガリン…なら、まだマシなほうで、ショートニングというのが実態なんだとか。 よく耳にしますよね、ショートニング。 恐らくは、まあ、短いニングなんだろうな。 そんな気はするんですが、その実態についてはよく知らなかったりします。 ということで、調べてみました。 ショートニング (shortening) は、主として植物油を原料とした、常温で半固形状(クリーム状)の、食用油脂である。マーガリンから水分と添加物を除いて純度の高い油脂にしたものと考えてよい。 ほお、別にいいぢゃん。 マーガリンから水分と添加物を除いて作るのなら、手間賃の分だけ高価な気がしますよね。 ラードの代用品として19世紀末にアメリカで生まれたそうで、ショートケーキのショートというのは 「短い」 からではなく、ショートニングを入れて焼いたケーキ。 そんな意味があるんだそうで。 ほぉ、初めて知りました。 ちなみにショートニングには、サクサクさせる、ポロポロにする。 そんな意味があるようですが、となると、サクサクしていて、すぐにポロポロこぼれる 「源氏パイ」 あたり、思い切りショートニングが入っていそうですな。ブルボンの 「ルマンド」 とかも。 何か、書いているうちにサクポロ系の菓子が食いたくなってきたんですが、牛乳とよく合いますよね、あれ。 子供の頃、牛乳が駄目だった僕もコーンフレークにぶっかけて食べるのは好きでした。残った牛乳が甘くて美味しいんですよね、あれ。 ルマンドに牛乳をぶっかけて、ザクザク、グチャグチャに潰して食ったら、けっこうイケそうな気がするんですが、とまあそんなことで、次。
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする問題。 健康ランドの仮眠室でゴロゴロしたり、猫がゴロゴロ言ってたりするのは至福の一時なんですが、お腹がゴロゴロするのは嫌ですよね。 キシリトールを一度に大量に摂取するとお腹がゆるくなるのと同じくらい嫌です。ちなみに僕はキシリトールのほうは効果てきめんで、バリウム検査の後の下剤代わりに活用しているくらいなんですが、牛乳のほうはぜんぜん大丈夫。 そんなに好きではないんですが、ゴロゴロすることはありません。 が、ゴロゴロするという人って、けっこういますよね。よく考えたらちょっと変な話で、乳を飲むと腹の調子が悪くなるって、お前ら、本当にほ乳類か? …という疑問が湧いたりもするんですが、調べてみたらどうやら、ゴロゴロの原因は乳糖というものらしいですな。赤ちゃんの頃は誰もが乳糖を分解するラクターゼという酵素を持っているんですが、乳離れして大人になると、その酵素が無くなっちゃう人がいるみたいです。大人になってもラクターゼを作り続けるかどうかは遺伝子レベルで決まっているそうですが、人種によってかなりの格差があるようで、乳糖不耐症と呼ばれるゴロゴロ体質の人の割合はネイティブアメリカン、アジア人、黒人の場合、約9割。 おお、ほとんどやんっ! 黒人って何となく下痢をしなさそうなイメージがあったんですが、意外と繊細なんですなー。 その一方、白人で牛乳が駄目なタイプはというと、ほんの1割弱。おおっ、白人、強ぇ!!牛乳には強ぇぇ!! ちなみに生物学的に見ると、乳離れして乳が分解出来ないようになるのは当然の結果であって、むしろ、そうでない白人のほうが特殊なんだとか。あいつらの世界では大人になってからも乳を飲めたほうが生き延びる上で優位なので、そういう遺伝子を持った奴らが蔓延ったのではないかと言われておりますが、日本人にとってそういう特質は、ホットケーキを焼きながらバック転が出来るという特技というのと同じくらい、生きていく上ではどうでもいい事だったんでしょうなぁ。マスオさんは出来るみたいですけどね、 これ 。
で、他にもいくつか書きたいことはあったんですが、筆のほうが遅々として進まないので、乳の話は、おしまい。
ということで、今日はシャーリー・スコットっす。 ギャル系オルガン奏者兼スタンリー・タレンタインの元嫁でありますな。 シャリ・スコとスタ・タレの共演盤というのは、けっこうな数があったりするんですが、今回はオリバー・ネルソンとの浮気盤を取り上げてみたいと思います。とまあそんなことで、 『グレイト・スコット』 。 僕の持っている輸入盤CDは 『フォー・メンバーズ・オンリー』 というアルバムと “2in1” になっていて、別にどっちを取り上げてもよかったんですが、ジャケ絵の都合とかを考慮して、 『偉大なスコット』 のほうを選んでみました。 ということで、1曲目。 「ア・ショット・イン・ザ・ダーク」 。 ヘンリー・マンシーニが作った歌物のようですが、演奏のほうはアレです。バックにオーケストラが入っていて、無駄に豪華な仕上がり。 で、編曲と指揮をオリ・ネルくんが担当するという、そういうシステムになっているんですが、オルガンのちょっとしたソロと背景の合奏団とのコントラストが無難な仕上がりで、ま、悪くはないと評価していいのではなかろうかと。 正直、かなりベタな仕上がりなので、辛口を自認するコアなファンからは辞任を要求されるレベルだったりするんですが、甘納豆好きの甘党とかなら、ぜんぜん大丈夫だと思います。
ということで、次。 アルバム・タイトル曲の 「グレート・スコット」 。 自分で自分のことを 「グレート」 と言っていいのは、グレート義太夫くらい。 そう考えるのが慎み深い日本人の一般的な感覚だと思うんですが、あっちのほうの人は平気で自分を持ち上げたりしますからね。 餅揚げて 「おかき」 にするくらいは日本人でも大丈夫なんですが、外国人の持つ厚かましさはちょっとうらやましいような気もします。 で、この 「偉大なスコット」 はというと、シャーリー・スコットが自分で自分を褒めて作った自画自賛ソングという訳ではなく、作曲者としてボブ・ハマーという名前がクレジットされていたりするんですが、キャッチーな旋律を持った、なかなかの佳曲であると評価していいのではなかろうかと。 フルートとオルガンとその他の管楽器がカラフルに絡み合うアレンジも、オリバーくんのセンスを感じさせるものになっているし、シャリ・スコのソロもそこそこフィーチャーされているし、とまあそんなことで次。 「ザ・セブンス・ドーン」 。 どういう成り立ちの曲なのかはよく知らんのですが、何と言うか、実にポピュラーな感じのする出来でありますな。 露骨に大衆受けしそうで、体臭のキツイ加勢大周が好きっ♪ …という、特殊な趣向を持っている人には駄目だったりするかも知れませんが、適度なオルガンのソロとバックの合奏団とのコントラストも手頃な感じで、これはこれで悪くないと思います。 いつも同じ感想ばかりで、申し訳ないような気がほんのちょっとだけしない訳でもないんですが、でもまあ、他に書きようがないんだから、しょうがないじゃん。 そう開き直っておいて、次。 オリバー・ネルソンのオリジナル、 「ホー・ダウン」 。 これはアレです。 オリ・ネルくんの唯一無二の超有名盤 『ブルースの真実』 に入っていたヤツでありますな。 あの作品は基本的にクールで知的な仕上がりが特徴で、素材がブルースなのにちっとも泥臭くなく、都会的でアーバンな雰囲気が漂っているところが日本人に受け入れられた大きな要因だったりするんですが、そんな中で唯一、アホっぽい空気が漂いまくっていたのが、この曲でありました。 「ホー、ダウン。ワン、ツース、リー、フォー!」 ぱーぱーぱらぱー、ぱっぱっぱー♪ ぱっぱらぱっぱー、ぱっぱっぱー♪ …という、思い切りコール&レスポンスしていたヤツですよね。 あんなギャル受けしないのをここに持って来たのは、ちょっと意外な感じがするんですが、お洒落過ぎて、ややマンネリ感が漂い始めていた昨今、場の空気を変えるという意味では大きな成功を収めたと言えるかも知れません。 アホっぽさもしっかり再現されている当たり、ネルソンの決意が揺るぎのないものであることを感じさせてくれるんですが、とまあそんなことで、次。
「ザ・シャドウ・オブ・パリ」 は1曲目と同じく、ヘンリー・マンシーニの作品。 タイトルからして恐らく、パリの車道をテーマにした作品であるものと思われるんですが、哀愁とエスプリに富んだ曲調は、局長レベルで高く評価されているものと思われます。どういう局の局長なのかというと、東京特許許可局局長とか。今日急遽休暇許可却下とか、最近はそういうのも付随しているようなんですが、そっちのほうが遙かに言いにくかったりしますよね。 言いにくいことをズバリ言っちゃう細木数子でも、思わず噛んじゃうレベル。 とまあそれはそうと、演奏のほうはギャル2人のボーカルがフィーチャーされていたりして、ここでもマンネリ化打破の意図が感じられたりします。 で、これがまた、なかなかいい仕上がりだったりするんですが、何ともミステリアスっすな、こりゃ。 背景の管楽器軍団もお静かで、亀井静香なムードを高めてくれています。 ということで、次。 ここから後半ということになるんですが、オリバー・ネルソンとはきっぱり決別して、オルガン、ベース、ドラムスという、超シンプルなトリオ編成になります。 全曲オーケストラ物なのかと思ったら、そういう仕掛けだったんですな。 個人的にこの判断は賢明な措置であったと評価しているんですが、賑やかなのはいいとして、ちょっと無駄に喧しかったですからね、アイツら。 で、すっきり編の最初に登場するのは 「ファイブ・オクロック・ホイッスル」 というナンバーなんですが、日本語にすると 「5時笛」 ? 終業時間を彷彿させて心が安らぐんですが、演奏のほうも寛いだアフターアワーズな雰囲気で、悪くないと思います。 ほんのちょっとした小さな小品なので、特筆すべき点は無いんですが、とまあそんなことで、次。 「ザ・ブルース・エイント・ナッシン・バット・サム・ペイン」 は、シャリ・スコのオリジナル。 「ブルーズはNothinではありません、しかしある苦痛」 って、翻訳サイトに掛けても、あまり要領を得た回答は出て来なかったんですが、シャーリーの歌声が聞ける、なかなか貴重な1曲だったりします。 決してお上手な歌いっぷりとは言えないんですが、声がちょっと可愛いし、それなりにブルースな苦痛感も漂っているし、中間部で聞けるオルガンのソロも味があるし、余興としては一定のレベルに達していると評価していいのではなかろうかと。
ということで、次。 「アイム・ゲッティング・センチメンタル・オーバー・ユー」 。 こいつを正しく 「センチになって」 と邦題に訳せるセンスなど、翻訳サイトが持ち合わせている筈が無いんですが、 「私はあなたの上に感傷的になっています」 。 ま、そんな程度でしょうな。 で、これ、タイトルの割にはさほど感傷的でなくて、無論、浣腸的でもなくて、普通に小粋な仕上がりだったりするんですが、こういう、ちょっとした小品に味があったりしますよね、この人のプレイって。 オルガンという楽器は足でベースラインを弾くことが出来るので、弦楽器のベース奏者は仲間に入れてあげないのが普通なんですが、この人の場合は足でペースペダルを弾くのが苦手…というか、苦足なのか、オルガン、ギター、ドラムスという通常の編成でなく、ギターの代わりにベースを入れたトリオを組むことが多いです。 ま、ベースなんて、入っていてもいなくても、一般人にはほとんどその存在を気付かれることが無いんですが、ジャズ・ギターがそんなに好きではない僕としては、それが入っていないというのは大きいです。 「ギターを持った渡り鳥」 とか、どこかに渡ったまま、そのまま帰って来なくても一向に構わないんですが、そんなトリオの美点が地味に発揮された、そんな1曲であると評価していいのではなかろうかと。
ということで、ラストです。 「メイク・サムワン・ハッピー」 は、しみじみとしたバラード。 しみじみと地味ではあるんですが、ま、派手なだけが人生ではないし、とまあそんなことで、今日は以上です。
【総合評価】
派手なオーケストラ物あり、地味なしみじみバラードあり、ギャル2人のヴォーカルをフィーチャーしたナンバーあり、本人の歌声ありと、バラエティに富んだ作りで、最後まで飽きずに楽しむことが出来ました。 いや、飽きる寸前まではいったんですが、その後、いい感じに盛り返してくれました。 決して正統派な仕上がりという訳ではないので、評価は分かれるかも知れませんが、カップリングの 『フォー・メンバーズ・オンリー』 のほうも無難な仕上がりだし、 “2in1” で、お得感満載。 ちなみにタイトルの 『GREAT SCOTT!!』 というのは、ただ単にスコットを偉大だと褒めているだけでなく、「なんてこった!」 そんな意味のスラングだったりもするようですな。 そんな意味と言っても、特に深い意味は無いんですが、アメリカの南北戦争時の軍司令官 Winfield Scott がとても太っていたことに由来するという説があります。 …って、そういう、生きていく上ではまったく何の役にも立たない知識があったりすると、よりいっそう楽しめるような気がする、そんな1枚なのでありました。