- 【アルバム名】
- GOT TO GET IT! (MILESTONE)
- 【リーダー名】
- BOBBY TIMMONS (1967/11/20,21,12/4)
- 【パーソネル】
- BOBBY TIMMONS (p) JIMMY OWENS (tp,flh) HUBERT LAWS , JAMES MOODY ,
- JOE FARRELL , GEORGE BORROW (reeds,woodwinds) ERIC GALE , HOWARD COLLINS ,
- JOE BECK (g) RON CARTER (b) BILLY HIGGINS , JIMMY COBB (ds)
- TOM MCLNTOSH (vo)
- 【収 録 曲】
- IF YOU AIN'T GOT IT / UP , UP AND AWAY / TRAVELIN' LIGHT / COME SUNDAY /
- ONE DOWN / I'M SO TIRED / HERE'S THAT RAINY DAY / STRAIGHT , NO CHASER /
- BOOKER'S BOSSA
- 【内 容】
- チョウチョ。綺麗ですよね。もうチョウチョってCHO-綺麗☆って感じなんですが
、一方の蛾。気色悪いですね。だいたい“が”という名前からしてふざけております。
世の中には何万種類という生き物がおりますが、その中で名前が一文字なのは3種類し
かありません。「か(蚊)」と「が(が)」「う(鵜)」。
-
- かはがが好きだったがうは嫌いだった。うはがよりもかが好きだった。がはうも
かも嫌いだった。でもかもやもかは好きだった。
-
- 解りにくいですね。いや、蚊は蛾が好きだったが鵜は嫌いだった。鵜は蛾よりも蚊
が好きだった。蛾は鵜も蚊も嫌いだった。でも鴨やモカは好きだった。ということなん
ですけどね。で、蝶には華やかなイメージがあって、派手な女性はよく蝶に例えられま
すよね。“夜の蝶”とか“銀座の蝶”とか“蝶々婦人”とか。とってもゴージャスな「
叶姉妹」的なムードが漂いますが、これが“蛾”ではそうはいきません。“夜の蛾”“
銀座の蛾”“蛾々婦人”・・・。“夜のガ”では叶姉妹というより「化膿獅子舞」って
感じだし、ガガ婦人はあまり隣近所に住んでいて欲しくないですよね。これはひとえに
“ガ”という言葉の持つ響きの悪さがマイナス・イメージに作用しているわけなんです
が、その点、方言にはなかなかカワイイ言葉がございます。ある不確かな情報によると
、大分(だっけ?)あたりでは小さな蛾のことを“ちゅちゅ”というそうです。ちゅち
ゅ。カワイイ響きですね。夜のちゅちゅ、銀座のちゅちゅ、ちゅちゅ婦人。
-
- キャンプをしてたらテントに“ちゅちゅ”がいっぱい入ってきて、「なんだか“
ちゅちゅ”に囲まれちゃったねぇ。」と言ったら「何それ?」と聞かれたので、指をさ
して「あれ“ちゅちゅ”でしょ?」とたずねたら、「が!」と言われた。
-
- という話が、清水ちなみ著『OL秘宝館~芸能人家族~』の中の「○○が方言だと
知った時のおどろき」というところに書いてありました。だからもし大分ぎゃると“ね
んごろ”になって「ねえ、ちゅちゅプレイしてもいい?」なんて聞かれても、安易に「
うんっ♪」と返事をしてはいけません。世にも恐ろしい“小さな蛾プレイ”を強要され
るハメになってしまいますが、それはそれでいいかもね?で、北海道のある地域では“
蛾”のことも“蝶”というそうですが、そもそも蛾と蝶の生物学的な違いは何なんでし
ょう?ということで、本日のテーマは「蛾と蝶と鵞鳥とガチョーン」。
-
- 一般的なイメージでいうと、
-
- ・綺麗なのが蝶、汚いのが蛾
- ・羽根を閉じてとまるのが蝶、開いてとまるのが蛾
- ・昼に飛ぶのが蝶、夜に飛ぶのが蛾
- ・外にいるのが蝶、家の中にいるのが蛾
-
- といったところでしょうか。“夜の蝶”なんて言葉があるわりには、蝶って昼間に
しか見ませんよね?意外にも生態的には蛾のほうがノーマルで、蝶のほうが屋外派の昼
間派だったわけですが、でもそんな気がするだけで正しくはないかもしれません。で、
ちょっと調べてみたところ、やっぱり正しくなかったんですけどね。止まるとき、羽根
を開いているか閉じているかは区別にはならず、開いて止まる蝶もいるそうです。夜に
飛んでるのが蛾であるとは限らず、マダラガやホウジャクなんていう昼間にお盛んな蛾
もいるそうです。で、一番の区別のポイントは触角で、細くスーッと伸びていて、先端
に「こぶ状」の突起物があるのが蝶、「くし」のように細かく分かれているか、真っ直
ぐに伸びているのが蛾なんだとか。もっとも蛾も蝶も分類学的には同じ鱗翅類(りんし
るい)に属していて、鱗翅類を蛾と蝶にわけるのは古くからの慣習で、学問的なよりど
ころがあるわけではないそうです。つまり「綺麗なのが蝶、汚いのが蛾」という分類は
、あながち間違いではなかったわけですな。
-
- で、蝶々と言えばアゲハチョウとモンシロチョウが有名なんですが、その他にも
いろんな種類がいるんですね。キレる寸前のアオスジアゲハなんてのもいれば、カステ
ラ好きのナガサキアゲハ、太田くんが好きそうなカバマダラ、沖縄にはナミエシロチョ
ウなんてのもいるそうです。ちなみに沖縄では蝶のことは“ちょう”というようですが
、蛾は“はーべるー”なんだそうで。夜のはーべるー、銀座のはーべるー、はーべるー
婦人・・・。いいかもしんないね♪で、他の動物は沖縄ではなんというのかと思って調
べてみたら、いろいろありました。
-
- ねずみ→「うぇんちゅ」、豚→「ぅわー」、蝿→「ふぇー」、銀蝿→「おーべー」、ごきぶり→「とーびらー」・・・。
-
- 豚は「ぅわー」ですか。ぅわー。蝿は「ふぇー」ですか。ふぇー。『看護婦ルナの
部屋』を見た鰈技師もびっくり。で、今週の新発見。
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- 横浜銀蝿→沖縄では「横浜おーべー」
-
- おー、べいべー!
-
- @ はい、ボビー・ティモンズです。ティモンズといえばヂヤヅ・メツセンヂヤ
アズやキヤノンボオル・アダレイのバンドで、ノリノリ真つ黒ピアノで頑張つている“
フアンキイ兄ちやん”というイメエジが強いんですが、自分のリイダア作だと、わりと
クウルで渋い系の演奏をしてるんですよね。例えば、昆布青年お気に入りの『盆跳び奮
う』とか。この『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』路線がティモンズの本音であって、J
Mやキャノンボールの元で聴かせている、いわゆる“ファンキー路線”はただのファン
・サービスに過ぎない。なんてことを申す人もおりますが、その気持ち、よーくわかり
ますね、ティモンズくん。私も根は至って真面目な青年で、本音を言えば下仁田など書
きたくはないんですが、ついついファン・サービスで“パンツねた”とかを書いてしま
うんですよね。で、書いてしまったあとで激しい自己嫌悪に陥ってしまうんですが、そ
れにしても夏服姿の女子高生って、いいもんですなぁ。梅雨の晴れ間に爽やかな薫風を
運んでくれるような気がしますが、そんなティモンズの諸作でもっともベタなのが、こ
の『ゴット・トゥ・ゲット・イット』。
-
- ・後藤とゲイと伊藤
-
- > エターナル・トライアングル。
-
- ホっテルはリバーサイド♪の流れを汲むマイルストーン・レーベルの1枚なんです
が、リバーサイド時代のティモンズからは想像も出来ないような演奏が展開されており
ます。60年代後半、プレスティッジに移籍してからのティモちゃんは、ちょっぴりソ
ウル系に走っておりましたが、それがいきつくところまでいっちゃったのがこのアルバ
ムです。ま、とりあえず1曲目から聴いてみましょう。
-
- 「イフ・ユー・エイント・後藤・伊藤」。トランペットにリード4本、あんどギ
ターという、パーソネルを書くのが面倒やっちゅうねん!という編成も猿ことながら、
いきなり飛び出すR&B風のコーラスにおったまげてしまいます。実はこのアルバム、
この手の猥雑極まりないリズム&ブルース・ナンバーと、わりとストレートなギター・
カルテットの2つのセッションからなっておりまして、その毛色の違う演奏がごちゃご
ちゃな順番で出てまいります。日本語ライナー担当の上條直之クンはアルバム全体の統
一性のなさを嘆いて、セッションごとに曲順を並べかえて(CDをプログラムして)聴
くことを推奨しておられますが、そんな面倒なこと、やだ。で、はぢめて1曲目を聴い
た瞬間、なんじゃこれは?という戸惑いを隠せぬ真面目ボーイさば君でありましたが、
何度も聴いているうちに「こーゆーベタなナンバーもよいではないか。」という気がし
てまいりました。下品なギターのイントロに続く、なんともチープなピアノ&おばさん
ボーカル。そこに絡んでくるリード・アンサンブル。下賎なまでの黒さがそこにはあり
ます。いいぞぉ、ティモンズぅ!で、ソロらしいソロもなく、あっさりと演奏が終わっ
て“説教する牧師と、応答する信者”みたいな声による掛け合いがあって、これでおし
まい。と思ったら、ウナ・マス的にもう一度テーマが演奏されるのでありました。いや
あ、ブラック・ミュージック。
-
- 続く「アップ・アップ・アンド・アウェイ」はソニー栗酢の演奏で名高いポップ
・チューン。牧歌的なアンサンブルのイントロで始まり、ティモンズのピアノがゆっく
りめのテンポでテーマ・メロディを呈示します。
- その間も牧歌ハーモニーがくどいくらいに絡みつきます。フリューゲルホーンの音
色が大須ういろ・ないろ・ねいろですな。その後、ティモンズのちょっとしたソロがあ
って、そのあとで再びフリューゲルの人が活躍します。なんとも安っぽい演奏でありま
すが、もとがポップ曲なだけに、こんなもんで宜しかろう。はい、3曲目。「トラベリ
ン・ライト」はビリー・ホリディやチェット・ベイカーのボーカルで名高い歌物ナンバ
ー。ピアノ・トリオ+ギターという、わりかしストレートなほうのセッションです。ベ
タな演奏が続いたあとだけに、夏服女子高生みたいな爽やかなイメージがありまして、
この曲順はこれで正解だと思いますけどね、上條クン。わりとストレートとはいっても
ナチュラルにスライドする、いわゆる“真っスラ”といった感じの演奏で、ギターが入
っているせいもあってリバーサイド時代の演奏にくらべると、かなりソウルではありま
す。はい、次。エリントンの「噛む酸出胃」。物を噛むと胃酸が出るよね。ということ
をしみじみと歌いあげた名バラードでありますが、こともあろうにボーカル入りのR&
B風ナンバーに仕立てております。で、これが悪くないんっすよね。リードのアンサン
ブルがエリントンのジャングル・サウンドを彷彿させ、よく考えればこの曲、もともと
ゴスペル・ナンバーですよね?アンサンブルの間から浮かびあがってくる軽快で黒いテ
ィモンズのピアノがよろしい。はい、5曲目。ティモンズのオリジナル「ワン・ダウン
」。ギター・カルテットによる演奏で、これまた教会ムードに溢れた曲ですね。テーマ
のあと、ロン・カーターのソロがフィーチャーされて、これがまた地味でよろしい。ロ
ンって何でも無理やりコテコテだね。というタイプだと思っていたら、こういうウォー
キング風のソロも出来るんですね。続くジョー・ベックのギター・ソロは時折オクター
ブ奏法もまじえて、ジョーはジョーなりに頑張ってるじょー。続くティモンズのソロは
適度にファンキー、濃厚にディープ。ソロを聴くならこの曲がベストですかね?
-
- ということで、お股せ!ここで本アルバムの目玉、「アイム・ソー・タイアード
」が登場します。おなじみのティモンズの代表作「ソー・タイアード」とリズムとブル
ース風にアレンジしたもので、いきなりの“おばさんコーラス”が、かなりイケてます
。もともとノリのいい曲(←有明産極上海苔使用)だけに、こういったベタなアレンジ
が妙にハマっており、とっても・・・とか書いているうちにフェイド・アウトして終わ
ってしまいました。もうちょっと長く聴いていたい気分だったんですけどね。で、ここ
で一転してカルテットによるしみじみバラード、「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ」
。「アイム・ソー・タイアード」で思いっきり高ぶった気持ちを、次の曲、「ヒアズ・
ザット・レイニー・デイ」で思いっきり冷やされてしまうのである。と、上條クンが嘆
いている問題の曲順であります。「人をすっかりその気にさせておいてそれはないだろ
う。」と文句をブーたれておりますが、高ぶった気持ちのままコトに及んでしまうと、
得てして“So early!”という事態に陥ってしまいがちなので、ここはひとつ頭を冷や
して、ついでにタマ冷やす、ざっと例年、デート前。。。という、プロデューサー、オ
リン・キープニュースの親心ではないでしょうかね?それが証拠に続く「ストレート・
ノー・チェイサー」では、リラックスしたいいムードで演奏(こと)が進んでおります
。ホーン陣が適度に短いソロを交替で演奏していて、落ち着いた感じになっております
。頭とタマを冷やした成果といえるでありましょう。おかげで6分7秒も持続しており
ます。本アルバムの最長記録ですな。彼なりに頑張った成果なので、それなりに評価し
てあげてください。
-
- ラストはカルテットによる演奏。ドナルド・バードの『スロー・ドラッグ』でも
演奏されていたウォルター・ブッカーの名曲「ブッカーズ・ボッサ」っす。ホーン抜き
なので今ひとつ地味ですが、ボッサのリズムが軽快で、アルバムのラストを飾るのにふ
さわしいリラックスしたナンバーであると言えましょう。以上、辛口ファンにはローラ
ンド・ハナ肇から相手にされない1枚でしょうが、パンツくらいは自分で穿きましょう
ね、ハナ肇。ということで、今週はおしまい♪
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