- 【アルバム名】
- BOSSA NOVA BACCHANAL (BLUE NOTE)
- 【リーダー名】
- CHARLIE ROUSE (1962/11/26)
- 【パーソネル】
- CHARLIE ROUSE (ts) KENNY BURRELL (g) CHAUNCEY "LORD" WESTBROOK (g)
- LAWRENCE GALES (b) WILLIE BOBO (ds) POTATO VALDEZ (conga)
- GARVIN MASSEAUX (chekere)
- 【収 録 曲】
- BACK TO THE TROPICS / ACONTECEU / VELHOS TEMPOS / SAMBA DE ORFEU /
- UN DIA / MECI BON DIEU / IN MARTINIQUE
- 【内 容】
- 今、手元に『魚料理のサイエンス』(成瀬宇平著・新潮選書)という本がござい
ます。きっと、なにかネタにならないか?と思って買ってきたんでしょうね。魂胆ミエ
ミエです。もぉ、三重テレビでやっていたローカル番組『三重ちゃった』と同じくらい
ミエミエ。もぉ、スケスケのミエミエ、いや~ん♪って、何を言ってるんでしょうね。
で、新潮選書というのは新潮文庫よりひと回り大きいサイズであります。新潮文庫と言
えばコドモの頃、「新潮文庫って言うてみぃ!」ごっこというのがありましたね。両手
の人差し指で口の両側を左右にひっぱり、ちょうど「いーだっ!」をするような格好を
させておいて「新潮文庫」と言わせるわけです。すると「新潮ぶんこ」がどうしても「
新潮うんこ」になってしまうので、「わーい!うんこって言ったぁ!」と囃し立てると
いう、そういう遊びですね。とってもアダルトでインテリジェンスに溢れたオトナの遊
びとして、「うーん、マンダム!」ごっこと共にとても人気のある遊びでございました
。あとはそうですねー、いわゆるひとつの「手袋を反対から言うてみぃ!」ごっこです
かぁ。「“て・ぶ・く・ろ”の反対やから“ろ・く・ぶ・て”!」と答えると、「わー
い、6ぶて!って言うたぁ。」と囃し立て、6回頭をぶつという、こちらはユーモアと
ヒューマニズムに溢れた、極めて社会性の高い遊びですね。「こうして僕はぶたれてオ
トナになっていくんだぁ。」と、しみじみ感じたものでございます。これと類似のお遊
びとしては「仏像、銅像ごっこ」というのがありましたね。この遊びの流れはだいたい
次のような感じになっております。
-
- 「仏像って言うたら銅像って言うんやで。」
- 「うん、わかった。」
- 「仏像!」
- 「銅像!」
- 「わーい!ぶつぞぉ!って言うたら、どうぞ!って言うたぁ!」
- と囃し立て、頭をぶつという。この遊びは同じ相手に3回くらいまでは通用するん
ですが、いくら相手がコドモとはいえ、次第にだんだん「学習」してくるんですよね。
4回目くらいになると、「仏像!」と言っても「薬師如来像!」なんて答えが返ってき
て、頭をぶとうと思って構えていたコブシのやり場に困る、といった事態に陥ってしま
うのでございました。えーと、何の話でしたか?新潮選書というのは新潮文庫よりひと
回り大きいと。そういう話でしたね。文庫よりひと回り大きいのに新書本というのがあ
るんですが、この新潮選書というのは縦長である新書本に比べると横の長さがながいと
。でも、普通の単行本(ハードカバー)よりはひと回り小さく、表紙もぺらぺらである
という、そういう本なのであります。これが1000円。1回の原稿のネタをさがすた
めに、たいして読みたくもないサカナ料理の科学の本を買わなければならないなんて、
つくづく因果な商売でありますね、WEBマスターっていうのも。涙をふくハンカチさ
えあれば商売になる「失恋レストラン」のマスターとはえらい違いです。で、決して小
さくはない出費を強いられたこの本なんですが、それほどネタになるようなことは書い
てありませんでした。まず最初に「鯵(あじ)」というページがあるんですけどね。(
あいうえお順)「関鯵」というのは登場しましたが、残念ながら「ごんあじ」は登場し
ませんでした。昔はアジ中毒を気にしている人もいて、必ずアジといっしょに毒消しに
茄子を食べたんだとか。うーん、アジと茄子かぁ。茄子にはどちらかというと赤貝とか
ハマグリのような・・・。それで思い出しましたが、私達が小学校を卒業して初めて中
学の教室に入った時のこと。机の上にこんな落書きが書いてありました。
-
- 「ぼく、茄子!」
- 「わたし、ドーナツ!」
- 「遊ぼう!」
-
- 私はその意味がよくわからなかったので、友達を数人呼んでディスカッションを繰
り返したのですが、ついぞこれと言った結論には至ることができませんでした。
- 「中学校というのは奥が深い!」
- しみじみとそう考えさせられた、とある12歳の春でした。という話を「せがれい
じり」をやっていてふと思い出しました。
-
- @ さ、『ボサノバ・バッカナル』(チャーリー・ラウズ)ですな。
-
- ・ 坊さんの 馬鹿になるチャリ 羅臼疾走
-
- > 僧侶、馬鹿になる自転車で北海道疾走。
-
- アルバム名と人名「2題詠み」の高等テクなんですが、馬鹿になっちゃ、しょうが
ないですね。で、ラウズ。チャーリー・ラウズとハロルド・ランドは「ごっちゃ」にな
りやすい、という話は以前にもこのコーナーで書いたことがあると思いますが、ラウズ
というのはモンクと一緒にやってた人です。で、この『ボサノバ馬鹿になる』というア
ルバムはそんなラウズの唯一のブルーノート盤なんですが(サイドマンとして参加して
いるのは何枚かある)、その貴重な1枚がボサノバ集というのもちょっと変わってます
よね。ラウズとボッサって、全然イメージ結びつきませんもんね。ボサノバ曲集と言っ
ても「イパネマの娘」や「コルコバード」などの有名曲がほとんど入っていないのがブ
ルーノートのこだわりなんでしょうか。アイク・ケベックの『ボサノバ・ソウル・サン
バ』もほとんど同じ趣向なんですが、確かにソフィスティケイティッドされたボサノバ
というより「ソウル・サンバ」と言うべき演奏に仕上がっております。今日の僕はちょ
っぴりまともなんです。だって、風邪がまだ治りきらずに頭がぼーっとしてるんだもん
。で、まずはサイドマンの紹介ですな。ギターはかの有名なケニー・バレルと、かの有
名でないチャンシー・ロード・ウェストブルックでございます。いや、ラテンの世界で
は有名なのかも知れませんが、私は知りません。あと、ローレンス・ゲイルスという、
これまたよく知らない人がベースを弾いております。ドラムスは、おおっ!九州地方に
たくさんのファンを持っているウィリー・ボボではありませんか!あと、ポテト・ヴァ
ルデスのコンガとガーヴィン・マッソーのチェケレが入ります。んじゃ、1曲目から聴
いてみましょうね。
-
- 1曲目の「バック・トゥ・ザ・トロピックス」はチャーミングな女性レイラ・ウ
ィッパーの曲だそうです。残念ながらレイラちゃんの顔は見たことがないので本当にチ
ャーミングなのか、それともシャレで言っているのか判断つきません。曲自体は明るく
、ご陽気ですな。ボサノバというよりサンバ風のリズムにのせて明るく、ご陽気に演奏
されます。ラウズのソロって、ある種の「決まり文句」(クリシェですな)があるんで
すが、それをよく活かした達郎だと思います。続くギターのソロはチャンシー・ロード
・ウェストブルックのほうでしょうか?なんでもいいけど名前が長いぞ、チャンシー・
ロード・ウェストブルック!これからはチャンシー・ロード・ウェストブルックを略し
てチャンシーちゃんと呼ぶことにしましょう。で、2曲目の「アコンテセウ」はエド・
リンカンとシルヴィオ・セザーという人の作品です。江戸出身の林間学校研究者なんで
しょうかね?エド・リンカン。1曲目よりもゆったりしたテンポで、けだるいところが
ボサノバしております。けだるくなければボサノバとは言えません。日本人好みの綺麗
なメロディの曲でございます。ブラジルのペドリーニョ・ロドリゲスというシンガーの
レコードでこの作品を聴いたウィリー・ボボがチャーリーに紹介したんだそうです。ウ
ィリー・ボボの功績大ですな。ここにその功績を称え、大きな声で叫んでみたいと思い
ます。さあ皆さん御一緒に。「いいぞぉ、ボボ!!」
-
- 3曲目の「ヴェリョシュ・テンポス」と4曲目の「オルフェのサンバ」はルイス
・ボンフャの曲。「オルフェのサンバ」はこのアルバムで唯一メジャーな曲ですね。で
も、あまり有名でない「ヴェリョシュ・テンポス」が実にいい感じです。黄昏を思わせ
るギターとテナーだけのイントロから、アリスの「エスピオナージ、うぉうぉうぉうぉ
うぉ!」を思わせるリズムが入ってくる瞬間、とっても背筋ゾクゾクものです。マイナ
ーなムード溢れたテーマもいいですね。黄昏たラウズのトーンとよくマッチしておりま
す。意外とボサノバと相性よかったんですねー。ラウズ。チャンシーちゃんのギター・
ソロも秀逸です。アコースティックな響きが僕の内なるジプシー・スピリットを掻きた
ててくれます。「オルフェのサンバ」も悪くないですね。
- にぎやかなラテン・リズムをバックにラウズが気持ちよさそうにテナーで歌っ
ております。
-
- 5曲目の「ウン・ディア」は“One Day”の意味らしいです。プリンセス
・オーレリア・ベンスキーナという便好きな友人のダンサーから聴かされたメロディ・
ラインをラウズが期待に胸をふくらませたものなのだそうです。原文ライナーには「デ
ィサフィナードに通じるのどかさをたたえた」うんぬんと書いてあるんですが、確かに
そんな感じですね。いいぞぉ、便好きーな!ここでのラウズのプレイは例のクリシェば
りばりですね。で、ギター・ソロはケニー・バレル。チャンシーちゃんに比べるとブル
ージーで、いかいもジャズ的な香りがいたします。いいぞぉ、毛にバレるぅ!6曲目の
「飯、盆、十」というのは「慈悲深き神に感謝」なんだそうです。飯と盆と十のうち、
どれが慈悲でどれが神で、どれが感謝なんでしょうね?ということを考えずにはいられ
ない、慈悲深いマイナー調のメロディが僕のハイチ魂を激しく揺さぶります。いや、元
はハイチの曲らしいですけどね。日本人とハイチ人は友達だ、ということを確信せざる
を得ない、実に親しみやすいメロディであります。ラウズのソロもよろしい。んで、ラ
ストの「イン・マルティニク」は1曲目と同じくチャーミングなレイラ・ウィッパーの
曲。演奏はゲイルスのベースで始まり、続いて激しくシンコペートしたテーマが登場す
る、んだそうです。ちょうど明日、「気ままにstandard」のコーナーでシンコ
ペーションのお勉強をしようと思ってたのぉ♪と志摩ぴょんが言ってたのでちょうどい
いでしょう。あ~ん、親交ペンション、もっと激しくぅ♪ということで、全体的に明る
く楽しくご陽気な1枚でありました。けっこうオススメです。
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